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サポート事例
経営者をバックアップする士業連携 情報発信を強めて資格士を身近に(4)
2011年5月20日

 経営を取り巻く環境は時々刻々と変化している。かつては問題にならなかったようなこともリスクとなって、いつ降りかかってくるか分からない時勢。気を張って八方手を尽くしたはずなのに、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあるのだ。経営者の側で、専門家として企業を見ている資格士やコンサルタントたちは、そんな心配を軽くしてくれる存在だ。今ではそれぞれ強みをより生かすために連携をとるケースも少なくないという。士業連携の先端を走る4名に、資格士と経営との関わり方を聞いた。

(聞き手:I・B事業部リーダー 緒方 克美)

士業座談会

<士業を知ってもらうためケーススタディ塾を開催>

 中村 専門家だからこそ見えるリスクもたしかにあります。多く見受けられるのが売上の偏りと安易な借入です。明らかに売上をもう少し小口分散すべきところが偏り過ぎていて、表面上はうまくいっていて利益も上がっていますが、その偏りが大きすぎて個人的に危機感を感じることがあります。また、借入に対してバランス感覚を失ってしまう社長さんは多いですね。毎月の元金返済額が膨らみ過ぎて、利益償還が難しくなってしまいます。

 清田 我々は会社を整理する側の発想になりますが、まさに借入の意識が低い方が多く見受けられるのはたしかです。会社を整理するときに借入がもっと少なかったら事業継続できていたのにという話を聞くことは多いですね。返済をきちんと意識して経営していないという証拠だと思います。その場合は経営者の意識から変えないといけません。そうでないと、事業継続によってさらに借金を膨らませるだけですから。

アジア太平洋マネジメント 経営コンサルタント 青木 道生 氏 青木 多くの企業を見てきて感じるのは、プレーヤー業務とマネージャー業務のバランス感覚のとれた経営者が少ないということです。とくにベンチャー企業の経営者はプレーヤー業務に傾注しすぎていて、社内体制の確立・把握にあまり興味、関心を示さないことが多いですね。事業計画の策定や金融機関への書類の作成を私に丸投げしてくることがありますが、それは経営者としても管理職としてもいかがなものかと思います。経営者がプレーヤーに徹して会社経営を人に任せてしまうというのは大きなリスクです。いつ倒産してもおかしくありません。本来的にプレーヤーとして営業するのは大事ですが、一歩引いて考えたら、それがリスクだと気づくはずです。バランス感覚は非常に重要ですね。

 中村 たしかに内部を知ることは大切です。数字の把握はとくに大事だと思います。そういう意味で、税理士は経営の羅針盤になりえると思います。第三者としての客観的な意見を示しますから。

 宮前 自分がいなくなったときのリスクまで考えられる人は少ないですね。万一の際の事業継続は大事であるはずなのに、その仕組みをつくっているところは滅多にありません。経営者ならば遺言書くらい、すでに書いているというイメージがありましたが、口頭で伝えているだけに留まっていることも多々あります。会社が乗っ取られる可能性もあるだろうし、親族や社外の方が経営陣に入ってくる可能性もあります。そこのリスク管理はしておくべきだと思いますね。

弁護士法人アクティブイノベーションウエスト 弁護士 清田 知孝 氏 清田 結局、リスクをどれだけ考えられるかということだと思います。リスクを減らす作業こそが本来の弁護士を含む士業のあり方だと思います。訴訟になるということはリスクの顕在化であって、原因ではありません。原因そのものを回避できる可能性を探り、手を打っておくことも経営にとっては大切だろうと思いますね。事前に顧問を頼んでおいて備えるか、大きなリスクを負いながら経営を続けるか。専門家を顧問にするためにはコストがかかりますから、リスク回避とコストを天秤にかけることになります。ただ、天秤にかけてもらうために我々もどういうことができるのかをアナウンスしないといけないと思います。そうでないと選択肢にもなりませんから。
 その意味で、ここに揃った4者で4月から「ケーススタディ塾」というセミナーを開かせてもらいます。実例をもとにトラブル回避方法や専門家だからできることを示させていただき、実戦に役立つ知識を得てほしいと思います。

 ―本日は大変勉強させていただきました。ご多忙のなか、ありがとうございました。

(了)

【文・構成:柳 茂嘉】

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<参加者プロフィール>

青木 道生青木 道生(あおき・みちお)
経営コンサルタント。1982年9月生まれ。福岡県出身。立命館アジア太平洋大学卒業後、大手地方銀行勤務を経て2010年に独立。中小企業と金融機関を結ぶ架け橋として活躍している。趣味は国内・海外旅行。

アジア太平洋マネジメント
北九州市八幡西区永犬丸2-13-43
TEL 090-4990-5611
mail:info@APHD.jp


清田 知孝清田 知孝(きよた・ともたか)
弁護士。1980年6月生まれ。東京都出身。明治大学卒業後、2008年に弁護士登録。幅広い司法サービスを展開している。趣味は読書。

弁護士法人アクティブイノベーションウエスト
福岡市中央区天神1-10-17西日本ビル4F
TEL 092-716-4704
mail:kiyota@ai-lawyers.jp


中村 伸一中村 伸一(なかむら・しんいち)
税理士。1972年4月生まれ。北九州市門司区出身。西南学院大学卒業後、2008年に税理士事務所を開設。銀行出身の若手税理士として日々福岡を駆けまわる。趣味はバイクとサッカー観戦。

中村伸一税理士事務所
福岡市中央区天神2-3-36
TEL 092-724-0201
mail:nakamura@7641tax.jp


宮前 武司宮前 武司(みやまえ・たけし)
司法書士。1981年11月25日生まれ。北海道札幌市出身。北海学園大学法学部卒業後、2009年に司法書士登録。代書業務だけにとどまらないサービスを連携で実現。趣味は牧場見学。

司法書士法人A.I.グローバル
福岡市中央区天神1-10-17西日本ビル4F
TEL 092-737-3273
mail:t_miyamae@forcustomer.com

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