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士業も生き残りを賭けたサバイバル時代へ突入
2011年8月24日

 士業の世界も完全に供給過多の状況だ。弁護士や公認会計士は合格者数の増加に対して需要が増えず、飽和状態に陥っている。弁護士の収入は減少し、事務所でイソ弁を抱えることもままならない。監査法人はリストラを進め、スリム化での生き残りに励んでいる。

ビル群 2003年の法改正で司法書士に140万円以下の借金についての交渉権と訴訟代理権が認められた。過払い利息の返還訴訟が拡大する局面で、弁護士と司法書士が棲み分けするような格好になったが、過払い市場が終焉を迎えつつある今では、完全なバッティング状態だ。
 仕事不足に悩まされた公認会計士は、やむなく税理士の市場で顧客を確保することになった。結果、公認会計士と税理士も完全なバッティング状態となり、税理士サイドからは公認会計士に税理士資格を付与することに対しての不満が噴出している。

 士業の間では、将来的には「ワンストップサービス」が主流になるとの見方が強い。この場合の「ワンストップサービス」とは、今まで弁護士は弁護士だけの事務所、税理士は税理士だけの事務所が主流だったものが、各事務所に弁護士、公認会計士、司法書士、税理士、社会保険労務士などがいる形態を指している。顧客ニーズの観点から考えても業界全体が、こうした方向に進んでいくことは間違いないだろう。ただし業界のパラダイムシフトが起きる場合、過渡期においては混乱も生じる。

 いわゆる「過払い」市場の縮小で、もっとも危機感を覚えているのは弁護士と司法書士だ。新たな市場創出の話は枚挙にいとまがない。いわく労働審判、不動産の敷金・礼金の返還、固定資産税の返還などなど。だが他業種と違って、こうした市場創出にはネガティブな印象がつきまとう。弁護士の使命は「基本的人権の擁護」と「社会正義の実現」と言われる。この使命を前述の市場創出に当てはめると、かなり違和感がある。どちらかと言うと、己の食いぶちのための市場創出との印象が強いからだ。以前に取り上げた税理士に対する税務訴訟も、同じような印象がある。

 今後は、弁護士が数多くの訴訟案件を生み出し、業界が混沌とした状態となった後に、その弁護士がリードする形で新しい士業の業界秩序が生み出されるだろう。そこへ辿りつくまでに、多くの士業が淘汰されていくことになるのではないか。

【緒方 克美】

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