ネットアイビーニュース

スペシャリスト(専門家)企業経営ネット

サポート事例
事業再生のカギを握る士業たち 経営者に問われる活用術(2)
2011年9月 2日
税理士法人エム・エイ・シー 代表社員 税理士 山本 研太郎 氏
高島司法書士事務所 司法書士 高島 謙太郎 氏

<不採算事業の整理や会社分割などで改善>

 ―税理士、司法書士の立場から、事業再生の具体的なケースや方法を教えてください。

 山本 たとえば借り方の問題がある企業ですね。長期を短い年数で借りて返済額が大きくなりすぎ、利益が出ているのにも関わらず資金繰りが悪くなるような場合には不採算の店舗や部門別を、思い切って断ち切っていくことにより利益を確保し、あわせて返済額の見直しをすることで、キャッシュフローの改善を図ることが大事です。
 最近では小売関係で、古くからの地場の企業ですけれど、このままでは危ないだろうなというところだったので、弊社でも実際、各店舗を全部回ってみて徹底的に不採算店を閉めて、人員的に余剰な部分も削減して、銀行ではリスケジュールとまでとはいかなくても、借り換えなどを活用することでキャッシュフローを改善し、しっかりと利益の出るような体質になってきています。
 経営者に、税理士がここまで突っ込んだ話をすると最初は嫌な顔をされますけれど、うまくいくと本当に喜ばれますし、弊社もそれで得意先を失くさずに済むわけですからね。

 高島 私が経験したのは、事業再生の1つのスキームとして、会社分割があります。複数の事業を抱えるなかで、非常に収益性が高い事業がある場合、会社を2つに分けて従業員の雇用を守ったり、子どもにその会社を託したりということができます。
高島司法書士事務所 司法書士 高島 謙太郎 氏 経営者は、会社を何とかして残したいし、従業員も守りたいですよね。会社分割などによる事業再生では、代表者や経営に携わる方々に血を流していただかないと乗り越えられない部分はあるのですが、会社を残すことはできますし、事業を継続することもできます。いったん会社を失くすと、そこに融資している銀行なども完全に回収できなくなるわけですから。
 それを回避するために、リスケジュールや一部債権放棄などで銀行にも少し血を流してもらい、最終的に事業が回っていくことで、より大きな回収も見込めます。会社分割という事業の仕分け・整理によって、"三方よし"というかたちのメリットがあるのです。
 あとは、とくに震災以降、助成金や補助金に関連してが非常に優遇されていますが、資本金枠を3億円以上減資して、法定中小企業になる資本金5,000万円以下にし、社長さんに喜ばれた話もありました。

<1事業で赤字続き時代に合わない経営も>

 ―逆に相談に来られたときに、「すでに遅い」場合は、どんな対応をとるんですか。

 山本 銀行から紹介され再生できないかというケースもありますが、営業ベースで利益の出る見込みがないところや、その事業自体が成り立ってないような状態だと、何かをやって良くなるという話ではありませんので法的整理をすすめるしかないこともあります。
 そういう状況って、当事者の方たちはなかなか気づきにくいものです。例えば飲食店の経営という一事業で不採算なのに、「お客さんがいるから」と赤字を出し続けてしまう。多分そんなケースに陥っている企業は、かつて、ものすごく良い時期があったと思います。そのときにやたら良い目を見ているから、「いつか何とかなる」というような感覚で、やり方も変えずにズルズルやってしまう。気がつけば、今の時代の流れにも全然合っていないような経営状態になっているわけです。

(つづく)

≪ (1)  (3) ≫

山本 研太郎山本 研太郎(やまもと・けんたろう)
 1971年12月生まれ、東京都出身。立教大学卒業後、大手生命保険会社を経て2007年に税理士登録。趣味は、お酒とゴルフ。

税理士法人エム・エイ・シー
福岡市博多区博多駅東1-16-23
TEL 092-431-3310


高島 謙太郎高島 謙太郎(たかしま けんたろう)
 1981年、福岡市生まれ。上智大学文学部でジャーナリズムを学ぶ。大手製薬会社勤務を経て2009年に司法書士試験合格。翌10年、高島司法書士事務所を開設。趣味は釣り、読書、ラーメン店めぐり。

高島司法書士事務所
福岡市中央区長浜2-5
TEL 092-713-4900

※高島の高は(はしごだか)

新着情報
セミナー開催予定