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事業再生のカギを握る士業たち 経営者に問われる活用術(3)
2011年9月 5日
税理士法人エム・エイ・シー 代表社員 税理士 山本 研太郎 氏
高島司法書士事務所 司法書士 高島 謙太郎 氏

<市場が縮小している業種 再生はさらに困難>

 ―同じ事業再生でも、建設業や小売業など業種によってやり方や方向性も変わってくるのですか。

 山本 建設業関係が今、厳しいのは間違いないですね。全体のパイが縮小して業者数も多くなりすぎている部分もあるから、どうしても淘汰されていく方向にあります。税理士法人エム・エイ・シー 代表社員 税理士 山本 研太郎 氏震災後の復興需要でさえも、予算が東日本の方へ回されるわけですから九州地方にはマイナス要因。特殊な技術分野などがあるなら、そこだけ残して何とか活路を見出すこともできるかもしれませんが。
 クリエイティブな部分がない仕事は、どうしても価格交渉になってしまい、付加価値が生まれないまま赤字操業でやっていかざるを得ない。そこからいかに抜け出せるかです。逆に、決まった商圏で小売店舗を持っているところの方が、効率化を図るとか、競合店に負けるようなら店舗を撤退させるとか、方法はありますよね。

 高島 市場そのものが縮小傾向の事業再生は難しいですね。その筆頭である建設業は、思い切って医療・介護など需要のある業種に切り替えることも考えなければいけないでしょう。小売業でいえば、飲食店を例にすると、高付加価値で再生させるか、他店よりも安易に価格を落として再生するのか、という2つのスキームを提示した場合に、後者を選択する士業の方が少なくないんですよね。低価格路線が、最終的に安定的な事業再生につながるかという点では、非常に疑問です。とりあえずの助走期間としては無難でしょうが。
 どの業種にしても経営者の方たちは基本的にスペシャリストなわけですから、業務自体の再生は、やはり経営者の方にも頭をひねっていただかないと進まない。私たちは、経営者の方が見逃している、本来ならこっちの方が伸びるのではないかという分野を着眼し、そこを伸ばすお手伝いはできると思います。
 あと、自分の財産は残したまま会社を再生しようというところで、良くなるケースはまずないですね。逆に社内に強力なナンバー2がいるところは伸びやすいと感じます。

<「金融円滑化法」 延長切れた後の怖さ>

 ―「金融円滑化法」が施行されて1年以上ですが、現場での影響はいかがですか。

 山本 基本的に、銀行が話に乗ってきやすくはなりましたね。以前よりも、構えずに銀行へ足を運べるようになったと思います。昔はもう、こちらが何か言い出そうものなら「一切引き上げる」みたいな勢いになることがありましたからね。今は、まず相談に乗らなくちゃいけないという前提ですから。
 震災の影響で、もう1年ぐらい延長するかもしれませんが、ただ先延ばししているだけの感もあります。突発的なデメリットを抱え込んだところへの救済は分かるんですけどね。それでも、うまい具合になっていけばいいんですけど、本当に単に資金繰りをつないでいるだけというところもあります。猶予期間が終わった途端にアウトになるだろうということは容易に予測できます。

 高島 そうですよね。円滑化法は、血が止まっていないのに輸血している状態なので、痛み方が激しいというケースが少なくない。延長が切れたら、かなり厳しくなるというご相談が増えると思いますね。

(つづく)

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山本 研太郎山本 研太郎(やまもと・けんたろう)
 1971年12月生まれ、東京都出身。立教大学卒業後、大手生命保険会社を経て2007年に税理士登録。趣味は、お酒とゴルフ。

税理士法人エム・エイ・シー
福岡市博多区博多駅東1-16-23
TEL 092-431-3310


高島 謙太郎高島 謙太郎(たかしま けんたろう)
 1981年、福岡市生まれ。上智大学文学部でジャーナリズムを学ぶ。大手製薬会社勤務を経て2009年に司法書士試験合格。翌10年、高島司法書士事務所を開設。趣味は釣り、読書、ラーメン店めぐり。

高島司法書士事務所
福岡市中央区長浜2-5
TEL 092-713-4900

※高島の高は(はしごだか)

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