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【弁護士対談】企業活動のリスク管理者としての弁護士(3)
2011年9月20日
明倫法律事務所 弁護士 田中 雅敏 氏
弁護士法人アクティブイノベーションウエスト 弁護士 清田 知孝 氏

<再建が成功しやすい条件>

 清田 再生した方が良い場合と、そうでない場合があると思います。田中先生は、その違いはどこにあるとお考えですか。

 田中 事業を再生する場合、カギになるのが企業の特徴だと思います。特別な技術やほかにない得意分野を持っていると、再生のスキームは非常に組み立てやすいと言えますね。逆に、そういった得意分野がない場合は、民事再生にこだわらず、いったん破産手続を行なって再出発を図った方が良い結果を得やすいように思います。「この分野はあそこに任せないと」という強みがある会社はスポンサーがつく可能性が高まりますし、いろいろな角度から支援を受けることも期待できます。
 会社を分析して、このような隠れた強みを発見してあげるのも弁護士の仕事だと思います。再生して負債をカットしてこの部分に特化したら良いのではないかという提案をすることも結構ありますね。

 清田 得意不得意というのは経営者でも正確に認識していない場合がありますから、弁護士が第三者の目で見て提案することも、大切なことですね。

 田中 客観的に見て、再生は困難だと思うような場合であっても、社長の思いが強く、この会社でどうしても事業を続けたいからと言われて何とか弁護士の方で強みを見出し、再生スキームを立てることがあります。その結果、絶対無理だと思われていた状況から立派に再生を果たすこともあります。ですから、弁護士としても、経営者の思いは最大限尊重するようにしています。

<人脈により広がる可能性>

 清田 頑張って再生スキームが始まっても、金融機関との兼ね合いですぐに窮地に陥ってしまうことがあります。

 田中 法律上はきれいになっていても、いつまでも銀行と正常な取引ができず、これが実質上新しいビジネスの芽を摘んでいる面があります。金融機関には、もっと具体的にその事業を見て、きめ細かく与信をしてもらいたいと思います。

弁護士法人アクティブイノベーションウエスト 弁護士 清田 知孝 氏 清田 与信、金融機関。それが原因で袋小路に入ってしまう。そうならないためにも、金融機関も含めたネットワークづくりが大切なのではないでしょうか。この弁護士に相談したら、金融機関ならここ、スポンサーはここ、販売戦略はここ、といったような部分までサポートできる人脈と協力関係が築けたら、再生が抱える問題の解決につながるように思います。
 私は弁護士として、このような出口の部分の人脈が築けたら一番良いと思いつつ、日々多くの人と接するようにしています。それが可能になれば、より安定した現実的な再生計画を提案できると思います。

 田中 一度破綻した会社をどう再生するかというとき、再生、破産以外にも方法は無数にあります。清田先生がおっしゃるように、出口の人脈を築き活用するというのは、非常に有効な手段だと思いますね。弁護士だけではなく、税理士などのほかの資格士が協力して、こことここをつなぐとこういう出口につながりそうだという提案をする。もちろん適法の範囲内で、きちんと債権者にも説明できるやり方で提案できれば、再建できる可能性が高まると思います。
 再生スキームが絵に描いたモチにならないためには、より具体的なヒト・モノ・カネの活用、つまり経営者の視点に立った提案というのが弁護士にも求められていると思います。

(つづく)

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田中 雅敏田中 雅敏(たなか まさとし)
 弁護士・弁理士。1971年12月生まれ。山口県出身。慶應義塾大学卒業。平成11年に弁護士登録。現在、明倫法律事務所代表弁護士。趣味はマラソンと旅行。知的財産についてはトップクラスの実績を誇る。

明倫法律事務所
TEL:092-736-1550
http://www.meilin-law.jp/


清田 知孝清田 知孝(きよた ともたか)
 弁護士。1980年6月生まれ。東京都出身。明治大学卒業後、平成20年に弁護士登録。幅広い司法サービスを展開している。趣味は読書。資格士やコンサルタントなど幅広い人脈を持ち、チームでの企業活動サポートには定評がある。

弁護士法人アクティブイノベーションウエスト
TEL:092-716-4704
http://www.ai-west.com/

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