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【弁護士対談】企業活動のリスク管理者としての弁護士(4)
2011年9月21日
明倫法律事務所 弁護士 田中 雅敏 氏
弁護士法人アクティブイノベーションウエスト 弁護士 清田 知孝 氏

<経営者の視点を持つこと>

 清田 おっしゃるとおりです。経営を立て直すのですから、ただの法律の専門家ではなくて、経営や経営者の思考が理解できるプロフェッショナルとしての視点は重要だと思います。

110921_tanaka.jpg 田中 そうですね。法律はツールにすぎませんから、私たちがどのようなツールを使って「どう建て直すか」を提案することが重要だと思います。こういう制度がありますよ、というのではなくて、その制度を使って、全体としてどのような道筋で、どうやって会社を運営し、どういう出口を目指すのかというところまで弁護士が主導することも多いです。企業の再建に中心的に関わることもありますから、経営者の立場、見方というのは非常に大切ですね。

 清田 私は全国に展開している弁護士法人で福岡事務所を任せてもらっています。法人ですから、企業と同じく経営しなくてはいけません(笑)。したがって数字をしっかりと把握しなければならない意識というのが、自然と鍛えられる状況にあります。私の感覚として、私自身は弁護士であり、同時に経営者であるという意識を持っていますね。
 弁護士というのは、司法試験さえ通れば資格を得ることができます。社会に出たことのない人が多い世界だと思います。けれども、経営というのは頭だけではうまくいきません。そんな弁護士が経営者の視点を備えるためには、依頼者にぐっと歩み寄って二人三脚で取り組み、どれだけの実績を重ねるかいうことと、自分が実際に事務所を経営しているという感覚を持つことが重要だと思います。

<日頃から従業員を大切に>

 田中 企業再生する際に経営の視点を持つというのは、非常に大切なことですね。そのなかでもヒトの問題というのは大きいと思います。従業員さんがまとまっているところはうまく再生することができることが多いですね。

 清田 ヒトは気持ちが大きな部分を占めます。その気持ちがどういう状況にあるかということが企業の性質を決定することもありますね。

 田中 社長はやる気満々でも従業員がついてきていないところは、法的な問題がクリアできても、結局途中でダメになるケースが多いように思います。一方で従業員さんが「頑張りましょう、社長」と、会社みんなで盛り上げてやっているところは、一見困難と思われた事業再生でも成功することがしばしばあります。うまくいった事例は従業員が社長についてきているところが多いと感じます。

110921_kiyota.jpg 清田 お金よりもヒトが再生のカギを握っていると言えますね。社長が横暴に振る舞っていると、社長と従業員さんはお金だけの関係になります。すると破綻した瞬間にお金のつながりが切れ、縁も同時に切れてしまいます。そういう場合、従業員さんが自分の会社の営業資産を持って逃げてしまうという事例すらあります。社長が従業員を普段から大切にしているかどうか、ヒトがついてきているかどうかは大事ですね。


 田中 中小企業の社長はパワフルな方が多いですが、従業員に対する愛情が足りない方もおられると思います。万一のときには、そういった面が大きな障害になり得るのです。従業員さんと一体になってやっていける環境をどれだけつくっているかがとても大事と言えます。

<相談できる環境が大事>

 清田 再生案件を相談されるとき、よく思うのですが、もう少し早めに来所してくれたら良かったのにと感じることがほとんどです。八方ふさがって、どうしようもなくなった状態で相談されると、採りうる選択肢が減ってしまいます。

 田中 そういう意味では、顧問契約をして普段から気軽に相談できる状況をつくっておくというのが有効でしょうね。管理にお金を使うことに抵抗がある方も多いとは思いますが、顧問料というのは、だいたい月額3〜6万円程度ですから、そこで継続的に会社を見てもらい、危機管理をしてもらうというのは、メリットが多いと思いますね。結果として、リスクを大幅に軽減することができますから。

 清田 顧問契約をリスク管理のアウトソーシングという感覚で考えていただければ、少なくとも警告はできますし早い対処ができますからね。ぜひ弁護士を身近に活用してほしいと思います。


(了)

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田中 雅敏田中 雅敏(たなか まさとし)
 弁護士・弁理士。1971年12月生まれ。山口県出身。慶應義塾大学卒業。平成11年に弁護士登録。現在、明倫法律事務所代表弁護士。趣味はマラソンと旅行。知的財産についてはトップクラスの実績を誇る。

明倫法律事務所
TEL:092-736-1550
http://www.meilin-law.jp/


清田 知孝清田 知孝(きよた ともたか)
 弁護士。1980年6月生まれ。東京都出身。明治大学卒業後、平成20年に弁護士登録。幅広い司法サービスを展開している。趣味は読書。資格士やコンサルタントなど幅広い人脈を持ち、チームでの企業活動サポートには定評がある。

弁護士法人アクティブイノベーションウエスト
TEL:092-716-4704
http://www.ai-west.com/

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