ネットアイビーニュース

スペシャリスト(専門家)企業経営ネット

サポート事例
生き残るために綱渡りをする税理士も増えてきた?
2011年9月22日

 税務関係の仕事をめぐり、公認会計士と税理士の争いが激化している。
高層ビル 2006年に公認会計士の新試験制度がスタートしたことで、同資格の合格者が急激に増えた。公認会計士の業務に関係するIPO(株式公開)やM&A案件が増加するとの見通しだったのだが、その目論見は大きく外れた。リーマンショック後の景気低迷は、IPOやМ&Aを減少させたばかりでなく、それらに伴う財務・リスク関連のコンサルティング業務も減少させた。上場企業の内部統制に関する業務も、すでに対応が一巡したことで需要が減少。この結果、需要増を見越して公認会計士を大量に採用してきた監査法人は、相次いでリストラを迫られる事態となった。大手監査法人の新日本監査法人は2010年にリストラに踏み切った。トーマツも11年7月にはリストラを決断。両法人とも400人規模の人員削減に着手した。
 こうして、あぶれた公認会計士が仕事を求めて彷徨い始めた。昔は公認会計士として独立していても、古巣の監査法人が繁忙期に入ったときには、その仕事をスポット的に手伝うことでの収入もあった。ところが監査法人そのものが仕事不足でリストラを余儀なくされる状況では、そうした仕事が独立組に回ってくるわけもない。そこで税務関係の業務の比重が高くなり、税理士と顧客を奪い合う形になっている。
 最近になり、税理士の廃業が増えているという。もともと平均年齢が高い業界であることに加え、前述してきたような競争激化から顧問先を維持することが難しくなってきているためだ。一方で、若い税理士の独立開業も少ない。開業しても軌道に乗せることが難しいからだ。こうした背景もあり、税理士事務所の買収話もよく耳にするようになった。先行きを不安視する事務所や、後継者問題を抱える事務所も多いため、地力のある税理士事務所は買収により顧客の獲得を狙っている。今後こうした動きには、さらに拍車がかかるだろう。また業界の厳しさを象徴するかのような事件も増えてきた。ある税理士によれば、税理士の脱税ほう助が増えているという。さらには税理士自身の脱税のケースもあるようで、食いぶちのために綱渡りをする税理士も増えているようだ。
 今、税理士の業界はドラスティックな変化の時代を迎えている。


【緒方 克美】

新着情報
セミナー開催予定