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欠陥マンション、設計・施工業者にも賠償責任~福岡高裁2次差戻し控訴審判決(4)
2012年1月25日

<設計業者の戸惑い>
0125_tyousa_1.jpg 損害賠償が認められたものの、欠陥マンションをつかまされた購入者(原告)の被害はあまりにも大きかった。購入して賃貸に出したものの、空き家も生まれた。一審の大分地裁での審理中に競売され、手放すことになり、生活設計の道が閉ざされた。

<菅組「コメント差し控える」>
 判決は損害賠償の多くを被告2社の連帯責任とした。
 判決について、菅組本社に電話取材すると、社長は連日年始のあいさつ回りや出張中として、「コメントは差し控えたい」(総務部長)と回答。1月17日付で上告した。

 設計の(株)住報一級建築士事務所(本店:東京都渋谷区、保田晴史社長)=以下、住報設計=は、建築当時から社長が代わり、当時を知る者がいないためか、住報設計の開設者であり株主の(株)住報の保田勲社長が取材に応じた。住報は、資本金8,000万円、1978(昭和53)年設立。住報設計などの関連会社を持つ、マンションの企画、設計、管理、運用の総合プランナー企業だ。

<住報「弁護士と相談して対応」>
 保田勲社長は「訴えられたのは住報一級建築士事務所だが、大変な問題だ」と述べ、高い危機管理能力ぶりを示した。「今後の対応は、弁護士、菅組の代理人弁護士とも相談して決めたい」として、上告する予定も示した。

 「私自身は詳細を知らないが、みんな知らないから回してきたんだな」と話す保田勲社長は、売主から原告の母親が購入したことや、その母親が死亡したこと、物件が競売されたことなども把握していた。しかし、競落したのが菅組の元従業員だったのは初耳のようで驚きを隠さなかった。
 もともと住報設計は東京がベース。当時を知る関係者から「設計を受けたものの設計の実務は菅組の子会社が実際には行ない、役所への手続きだけうちがやった」との事情も聞く。「菅組が払うのが当然」との受け止めだ。

 実際、住報設計は裁判のなかでも「事務所所在地と本件建物(別府タワービル)建築地が遠く離れていることにより管理の程度も自ずと制約を受けた」と、主張していた。
 判決が菅組と住報設計に連帯して支払いを命じた約2,848万円、これを2社が負担する割合がどうなるか、まだまだ波乱が予想される。

(つづく)
【山本 弘之】

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