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ベアで謹慎の身が解かれるみずほ銀行
2014年3月17日

mizuho.jpg みずほ銀行は東日本大震災後の2011年5月に発生したシステムトラブルで、金融庁から第一回目の業務改善命令を受けた。それから2年余り経った13年9月27日、みずほ銀行は系列信販会社のオリエントコーポレーションを通じて、暴力団員らの反社会的勢力に約230件(総額2億円)にのぼる「提携ローン」による融資をしていた問題が浮上。
 そこで金融庁はみずほ銀行に対して、反社会的勢力への融資取引が多数あり、それを把握しながら2年間以上も放置していたことを指摘し、再度業務改善命令を発令。問題を把握するまでの経緯、今後の再発防止策や内部監査機能の強化などを盛り込んだ業務改善計画を10月28日まで提出するよう求めた。

 みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長(兼みずほ銀行頭取)は今年1月17日の記者会見で、「新たな体制づくりやグループ戦略を練る役割に専念する。再発防止に向けて、6月には委員会設置会社に移行し、社外取締役が人事などを主導するかたちにする。そのために3月末までにグループの役員の人事体制を整える」と表明。続投を示唆する発言が世間の批判を浴び、1週間も経たない23日に記者会見し、「みずほFG社長に専念するため、兼務するみずほ銀行頭取を4月1日付で辞任し、代表権のない取締役に退く。後任に林信秀副頭取(56歳)が昇格する」と人事を発表。
 佐藤社長がわずか一週間も経たずに頭取辞任を決意した背景には、「金融当局(金融庁は麻生太郎副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣が管掌)の無言の圧力があった」のではとの見方が広がっている。

 安倍総理が掲げるベア(ベースアップ)による景気回復の掛け声に、自動車や電機などの主要産業界が12日までにベアを実施すると回答。金融界では証券業界はベアを受け入れていたが銀行業界は慎重だった。
 そこで金融当局の厳しい監督下にあるみずほ銀行は、「ベアを受け入れれば免罪符」とのシグナルを受け取ったかのように13日、メガバンクでは初めて、19年ぶりに労組が要求する0.5%のベアとボーナス5%の増額を「満額回答」で受け入れる方針を固めた。
三菱東京UFJ銀行と三井住友銀行も月末までに労組の要求を受け入れる方針を明らかにしており、他の大手銀行や地方銀行などの金融機関にもベアの波が押し寄せてきている。
 安倍首相のベアとボーナスの増額要請に「いの一番」に応じたことで、みずほ銀行は謹慎の身を解かれることになりそうだ。

【北山 譲】
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