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新卒就職率上昇、試練の人材確保
2014年5月16日

 2013年度の大学新卒者(14年3月卒業)の就職率が5月16日、厚生労働省から発表された。4月1日現在、大卒で94.4%(前年同期比0.5ポイント増)。
 一方、高校新卒者(同)の就職率(13年12月末時点の内定率)は、85.3%と、同年同期比2.5ポイント上昇した。12月末時点の内定率が85%を回復するのは、バブル期以来。
 就職率や内定率の上昇によって、企業の人材確保は深刻さに拍車がかかり、企業側の採用戦略が試練を迎えている。

bgns_12.jpg 高校新卒者の就職率は、1991年のバブル崩壊後、一気に低下し、01年頃には就職を希望する10人に2人近くは就職ができない「氷河期」だった。12月末時点の内定率で比較すると、バブル期前の10年間は85%前後で推移。バブル期には、企業側が優秀な人材の早期確保に迫られ、早めの内定を出すことによって、内定率が一気に上昇、一時期は12月末時点で新卒予定者の9割以上が内定していた。
 今回、バブル期の水準まで内定率が上昇したことで、再び、人材確保が困難な時代に入ってきた。

 「ぜひ欲しいと思っていた人材が内定を断った」「説明会や面接になかなか良い人材が集まらず、仕方なく採用したら、問題社員だとわかって、辞めさせたいが、それもできずに困っている」――。こういう声が、企業の社長や総務人事担当者からよく聞かれる。
 採用をめぐっては、企業が持つ魅力の明確化、教育制度、長期的なキャリアアップ、賃金・人事制度など、トータルな対策が効果的だ。
 厚生労働省では、中小企業向けに、従業員の処遇や職場環境の改善を図る場合の助成金を用意している。なかでも、14年4月から助成率が引き上げられた「業務改善助成金」は、賃金引き上げが目に見えるので、就職活動者にも従業員にもアピールしやすい。中小企業の最低賃金引き上げを支援する助成金で、事業所内の最も低い時間給が800円未満の会社が、40円以上引き上げる計画を作成し、実施した場合、業務改善経費の2分の1(従業員30人以下の小規模企業の場合は、4分の3)を支給するもの(上限あり)。

 2014年度就職戦線が本格化するこれから、厚生労働省の助成金を活用して、人材育成・処遇制度などを見直すチャンスでもある。

【山本 弘之】

▼関連リンク
・厚生労働省 事業主のための雇用関係助成金

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