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防犯カメラ顔認証、弁護士会が反対
2014年5月28日

 福岡県警が2013年12月に導入した防犯カメラの顔認証システムについて、福岡県弁護士会(三浦邦俊会長)は5月27日、顔認証データの収集利用保存や目的外利用の防止などを定めた法律がないもとでの運用をしないように求める声明を発表し、三浦会長、武藤糾明弁護士らが同県警本部を訪れ、使用中止を要請した。

camera.jpg 福岡県弁護士会の声明は、「顔認証データは、指紋よりもいっそう簡便に収集が可能な、高度な生体認証データ」だとして、「対象者の同意なしに取得することが許されない」と指摘。「対象者の同意なく使用する以上、あらかじめどのような条件の下に収集、利用、保存が許されるのか、またどのようにして目的外利用を防ぐのかを厳格に定める法律なくして顔認証データを収集・利用・保存するべきではない」と求めている。

 顔認証システムは、撮影された画像から人の顔の目・耳・鼻などの位置関係などを数値化し、データベースに登録されている顔認証データと自動的に照合する仕組み。声明によれば、すでに福岡県警で使用例が存在する。捜査のため収集する対象の画像には、県警自ら設置している防犯カメラの画像のほか、民間のカメラの画像も含まれる。

 福岡県警は、捜査のために収集する画像、検索・照合の対象とするデータベース登録人物いずれも、組織犯罪に限定しているという。
 県弁護士会の声明は、「組織犯罪対策運営規程には、顔認証装置の使用について、使用できる場合としての対象犯罪や、検索・照合の対象となるデータベースに登録される者の属性を限定する明文規定も存在しない」と指摘。また、「警察は、捜査目的であっても、罪のない市民の行動に関する情報を無制限に収集したり、検索・照合の対象とする権限があるわけではない」と批判している。

 画像を収集する場面の問題として、▽犯罪多発地帯でないのに警察が直接公共の場所に監視カメラを設置して罪のない市民を無差別録画することは本来許されない、▽コンビニエンスストアなどから限定なく任意捜査で画像を収集すると、撮影される画像の対象が極めて広範に及ぶ――ことを挙げている。
 また、顔認証装置を使用し、検索・照合する場面での問題では、▽検索・照合対象のデータベースの登録者を限定する内部規定すら存在しない。8,000万人を超える運転免許証データがデータベースとして用いられる可能性がある、▽目的外利用がなされないためのチェック体制が存在しない――としている。
 声明は、「ある市民が福岡県警の対象とされた場合には、その行動が丸裸となり、そのプライバシー権を侵害するばかりか、街頭での署名活動、集会やデモ行進など、民主主義社会の基礎となる市民の表現の自由を萎縮させる危険が大きい」と批判している

【山本 弘之】
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