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偽装質屋社長に実刑判決、福岡地裁
2014年8月 8日

えびす 質屋を装い、年金生活者を狙って、違法な高金利で貸し付けていたとして、出資法違反と貸金業法違反の罪に問われていた(有)ダイギンエステートとその社長大山晟徳被告人(63)らへの判決公判が8月8日、福岡地裁(岡部豪裁判長)で開かれ、岡部裁判長は大山被告人に懲役2年6カ月、罰金300万円の実刑判決を言い渡した。

 判決などによると、大山被告人はダイギンエステートと(株)恵比寿の実質的経営者で、両者のナンバー2で二男の大山貴博被告人と共謀し、「アオキ」「えびす」の屋号で福岡、佐賀、熊本、広島各県で偽装質屋を営み、年金を担保にして、年利約100%の高金利で金を貸し付け、違法に利益を得ていた。大山貴博被告人(31)には懲役2年(執行猶予4年)、罰金200万円を言い渡した。判決は、質屋を偽装した「ニュービジネス」で暴利をむさぼった被告人らを厳しく断罪した。
 弁護側は「ただちに控訴する」と明らかにした。

 判決は、「貸付にあたり質権設定契約は形式的なものに過ぎず、質物(質草)は無担保に等しい」と述べ、「強い営利目的があり、形式的に質物を取り、高利を得た。犯行態度は非常に巧妙で、悪質」と断じた。
 弁護側は、「質物は無価値ではなく、質屋営業の範囲内だ」として無罪を主張していた。判決は、単に形式的に預かっていただけでは足りず財産的価値か実質的担保性があるかどうか実態的に判断。岡部裁判長は、質物の査定や、質流れしてしまわず返済するかどうか見極めるために質物への「思い出」「思い入れ」の聴取がなされていず、返済期限を過ぎても質流れをせず、お客を訪問するなどして返済を求め、弁護士らが介入して初めて質流れをしており、実質的な担保機能も質流れの予定もなく、質権設定契約の実質は伴っていないと判断した。

福岡地方裁判所 判決などによると、晟徳被告人は、(株)ダイキや(株)NBファイナンスを経営して貸金業を営み、遅くとも2003年ころから、年金生活者から預金通帳やキャッシュカードなどを預かり、あらかじめ客から暗証番号を聞き出しておき、従業員が預金を引き出す方法や、Qネットと呼ばれる銀行などの代金回収サービスを利用して、年金などが振り込まれる口座から引き落とす(口座振り替え)方法で貸金を回収していた。福岡県がこれらの行為を貸金業違反だとして業務停止や貸金業取り消しを通知すると、貸金業を廃業。その後、07年ころ、質屋が出資法の特例として年利約109%の高利であることに目を付けて、年金を担保にとって、「五番街」の屋号で質屋営業を開始した。08年2月ころ、博多警察署の立ち入り調査で、年金担保貸付は貸金業違反になると警告を受けたが、晟徳被告人は「品物を1つ預かっておけばいい」と、偽装質屋の継続を指示。「五番街」を廃業する一方、「アオキ」「えびす」の屋号で次々に質屋を開店させた。
 判決は、晟徳被告人の量刑について、「常習性が顕著で、規範意識が著しく乏しく、証拠隠滅の偽装を指示するなど、反省の意思がなく、責任を自覚させるためにも実刑が相当」と指摘した。

【山本 弘之】

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