ネットアイビーニュース

スペシャリスト(専門家)企業経営ネット

サポート事例
元請・鹿島施工の「新生マンション花畑西」
2014年11月28日

耐震強度35%の恐怖!鹿島のマンション

元請・鹿島施工の「新生マンション花畑西」 福岡県久留米市のマンション住民が、耐震強度の著しい不足のため危険な状態にあるとして、久留米市を相手取って、除去(解体)命令を出すように求めた調停が11月27日、久留米簡易裁判所で開かれた。住民側弁護士によると、久留米市は、住民側がすでに提出した耐震診断結果を判定委員会による判定を受ければ、その結果を受け入れることを確認した。「市は、判定委員会の判定結果がNGであれば、除去命令もあり得るとした」という。
 久留米市の建築指導課長は、NETIBの取材に対し、仮定の話にはお答えできないとしつつ、「判定委員会にかけた(耐震診断)結果については受け入れる」と述べた。
 判定委員会は、建築物の耐震診断の結果や耐震改修計画が妥当であるかどうかを判断する民間組織。国の助言を受けて建築関係団体が設立した団体に参加している団体・企業が設置している。

 同マンションは、元請・鹿島建設(株)、地場建設会社による下請施工の「新生マンション花畑西」(92戸)。鉄骨鉄筋コンクリート造、地上15階建て。
 住民側は、専門家による構造計算書の検証結果をもとに、耐震強度が基準の35%しかないとして、2013年2月以降、同市に救済・対策を求めてきた。また、鹿島建設(株)らに損害賠償を求める訴訟も福岡地裁久留米支部に提訴している。住民や専門家は、「想像を絶する耐震強度の欠如。震度5強の地震で倒壊の恐れがある」「怖くて、安心して生活できない。殺人マンションだ」と訴えている。

 調停では、住民側が居住者や近隣住民の生命身体に危険が及ぶと訴えてきたにもかかわらず、市が4回にわたって構造計算の検証を提出させたうえで、なんら適切な措置をとらなかったと批判した。
 調停申し立て前の市との話し合いでは、住民側は、市の求めに応じて、現況にもとづく耐震性の専門家に耐震診断を実施したが、市は、新耐震基準法後に建築されたマンションなので、耐震診断の対象ではないとして、門前払いしていた。
 市は今回、判定委員会は任意の団体なので、新耐震基準法以降の建築物も受け付けることがあり得るとして、判定委員会が判定した結果であれば、その結果を受け入れるとしている。

 住民側の依頼を受けた専門家が設計図面をもとに構造計算した結果、耐震強度は基準の35%しかなかった。「姉歯事件」の耐震偽装で解体されたマンションを下回る耐震強度だ。専門家が竣工後にマンション管理組合に引き渡された構造計算書を検証したところ、地盤の設定、柱と梁の不適切な配置、図面と異なる鉄骨柱脚の設計など、耐震強度が実際の設計よりも大幅に増加するように入力データを操作して計算していた。
 また、鹿島建設が、施工した地場建設会社との訴訟で提出した証拠などによると、コンクリートの鉄筋のかぶり厚の著しい不足、中性化の著しい不足、鉄筋のサビ、爆裂の発生など、「住居者の安全を損なう重大な欠陥」(鹿島側の書面)の数々が明らかになっている。

【山本 弘之】

新着情報
セミナー開催予定