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マンション耐震不足訴訟で弁論
2014年12月22日

欠陥マンション裁判

福岡地裁久留米支部 福岡県久留米市の「新生マンション花畑西」の住民らが「耐震強度が著しく欠如しており、地震時に崩壊する危険がある」として、元請け施工会社の鹿島建設(株)らを相手取って、建て替え費用などの損害に対して賠償を求めた訴訟の口頭弁論が12月19日、福岡地裁久留米支部(太田雅也裁判長)で開かれた。

 被告のうちU&A設計事務所に訴状が届かないため、実質的な審理には入らなかった。原告側によると、U&A設計事務所は法人登記簿上の住所には所在しておらず、代表取締役の瀬戸口通允氏も法人登記簿上の住所には現在住民票がなかった。今後、訴状が公示送達された後の弁論が実質的な第1回弁論となる見通し。
 原告側は、1月末までに追加の主張立証を行う方針。裁判所は、原告側の主張証拠が1月末に一通り出そろうので、それを受けて被告に反論反証するよう求め、被告・鹿島側が3月6日までに反論などを提出することになった。

 法廷では、原告側の主張立証が1月末に出そろうとの裁判長の指摘をめぐって、鹿島側代理人の山口雅司弁護士が「非常にラフな話だ。(コンクリートの鉄筋)かぶり厚不足の場所も特定されていない」と発言。すかさず原告側代理人が、鹿島が下請け業者を相手取った裁判資料で鹿島自身が欠陥状況報告書を示して「かぶり厚不足」と主張したことを念頭に、「それは鹿島自身が自分の裁判でわかっていることだ」と一蹴した。
 それを受けて裁判長が「そういうことも含めて1月末から1カ月半で反論を」と促した。鹿島側代理人が「反論よりも求釈明(相手に説明を求める書面)が大部分だ」と言うので、裁判長が反論・求釈明を2月末までに出すように求めると、鹿島側代理人は「もっと時間を」と再びのらりくらり。裁判長が「現段階でも求釈明は可能だ」と指摘する一幕があった。

 訴状などによると、同マンションは、被告(株)U&A設計事務所、同(株)木村建築研究所の設計監理、同鹿島の元請け施工(下請けは、訴外・地場建設会社)で、1996年1月完成。原告側は、耐震強度が35%しかなく、補修により健全な状態に回復することは不可能と指摘。鹿島が構造計算上の地盤設定が適切でないことや、鉄骨の組み方や緊結の仕方が構造耐力を欠くことを容易に把握でき、住民の生命身体財産を危険にさらすと認識できたのだから、安全な建物を建築すべき注意義務を怠ったと主張している。
 鹿島らは、争う姿勢を示している。

【山本 弘之】

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