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市民の安全より自己保身を貫く久留米市役所と鹿島建設の欠陥隠しを暴く(1)
2015年5月28日

鹿島欠陥マンション裁判

一級建築士 仲盛昭二、一級建築士 星野信治

 福岡県久留米市の「新生マンション花畑西」(92戸)をめぐって、耐震強度が著しく欠如して地震時に倒壊の恐れがあるとして、住民らが元請け施工会社の鹿島建設(株)らに損害賠償を求めた訴訟と、久留米市に鹿島に建て替えを命じるように求めた義務付け訴訟が起きている。マンション住民側から建築構造技術面での依頼を受けた一級建築士が作成した技術意見書を公開する。作成者は、一級建築士の仲盛昭二、星野信治の両氏。今回、鹿島自身が自ら、別の訴訟の中でコンクリートの「かぶり厚」不足や中性化の進行など欠陥を指摘していながら、住民らにはひた隠しにしてきたうえ、今回の訴訟でも欠陥を認めない態度を取っていることに憤りを感じ、技術意見書を全面公開することにしたものである。

1.意見書作成者について

 この意見書を作成した仲盛昭二及び星野信治は、本件について、建築構造に関する技術面での助言、構造検証、調査を、原告・代理人弁護士から全面的に依頼された一級建築士です。
 両名は、提訴以前から、久留米市との技術論争及び調停に参加した者です。

2.建築確認行政における久留米市の責任

 被告の久留米市は、本件マンションの建築確認を認可した特定行政庁である。
 本件マンションの設計に関しては、構造計算における、重大な地盤種別の偽装、土質柱状図の欠落、入力データリストの不添付、構造力学上考えられない不適切なモデル化などの、構造計算上の単純かつ悪質な偽装や技術的誤り及び法違反があったが、久留米市は、偽装や技術的誤りを指摘する事なく、平成8年に建築確認を認可しています。

 偽装・法違反や誤りだらけの構造計算に基づく建築確認申請については、審査をする行政庁が、偽装や技術的誤りを指摘すべきである事は当然です。しかし、久留米市は、これら設計の偽装や法違反、及び、技術的誤りを全く指摘する事なく、メクラ判的に建築確認を認可した結果として、本件マンションは、耐震強度が35%という極めて危険な状態となっています。後述する施工のずさんさに起因している種々の不具合も、更に、追い討ちを掛けているのです。この施工不良の事も構造計算に反映させると、実質上、耐震強度はゼロであると言えます。緊急を要する事態となっているにもかかわらず、久留米市は何もせず、放置しているだけです。

 久留米市は、本件マンションの建築確認について、本調停における平成26年8月28日付け久留米市の回答書において、「本件マンション建設当時、建築確認は適切に行われていたものと認識している」と、何の根拠も示さず、驚愕の主張をしています。
 むしろ、事の重大さを既に認識しているが故に、無視を続け、開き直りとも取れる発言に終始します。
 「偽装や誤りだらけの構造計算に基づく建築確認が妥当」だと、何の調査もせず、平然と主張する久留米市は、建築確認行政を行う特定行政庁として能力と責任を有していないと断じざるを得ません。久留米市は、現在まで、相当な件数の建物について、建築確認を認可してきています。審査能力を欠いた久留米市が建築確認を認可した、これらの建物全てについて、緊急に調査をする必要があります。

 本件マンションと同様に、知らないうちに生命の危機に晒されている市民、建物が多数存在している可能性は極めて高いと言えます。市民の命を守る事は行政庁の使命です。この事を久留米市が忘れていないのであれば、直ちに、今までの建築確認物件の検証、及び、調査に着手すべきです。そして、本件についても、「市民の生命を守る」という行政の基本に立ち返り、直ちに、是正命令を発するべきです。

「本件マンション建設当時、建築確認は適切に行われていたものと認識している」
(平成26年8月28日付け久留米市の回答書 4頁より)

→久留米市長による驚愕の回答である

 久留米市長の「本件マンション建設当時、建築確認は適切に行われていたものと認識している」との主張は、「久留米市の建築確認は、全て、過去、現在を問わず、本件マンションと同じくデタラメであった」ことを公言しているということです。久留米市長は、その理由(法的・技術的根拠に基づく理由)を回答すべきです。
 施工業者と設計事務所を相手取った裁判において、設計事務所である木村建築研究所は、原告(マンション住民側)が指摘した「設計の偽装」について何一つ反論していません。

 また、施工業者である鹿島建設自身も「この建物は危険な状態である」と明言しています。
 回答書に記された久留米市長の回答を真っ向から矛盾しています。久留米市長が、「適切に建築確認が行われていた」と判断した根拠を示さない限り、この矛盾は解決できません。

(つづく)

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