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市民の安全より自己保身を貫く久留米市役所と鹿島建設の欠陥隠しを暴く(4)
2015年6月 1日

鹿島欠陥マンション裁判

一級建築士 仲盛昭二、一級建築士 星野信治

3.建築確認における重大な法違反について

(ア) 地盤種別の偽装、及び入力データの偽装について

 本件マンションの図面にも構造計算書にも、土質柱状図などの地盤に関する資料がありません。ただ、構造図(No.C-7)に、「GL-42M」と杭先端深さが示してあるだけです。

 設計において、杭先端深さを定めた根拠が無い事は、設計における不具合です。仮に、近隣のボーリングデータを参考に杭先端深さを図面に記載しているのであれば、近隣と現地では地盤の状況が異なっています。別の敷地で、全く同じ地盤という事はあり得ない事です。一つの敷地内であっても数箇所をボーリング調査すれば、岩盤の傾きなどにより、支持地盤とすべき地層の深さが異なる場合がある事は、常識中の常識です。その為、施工の際に支持地盤の確認を行う事は欠かせません。

 建築構造技術者の立場から意見を申し上げると、原告は被告久留米市に対して、「地盤調査報告書も柱状図も添付されていないのに、どのようにして、図面に記載された杭先端の深さが妥当と判断したのか」、その根拠の提出を求めるべきではないでしょうか?根拠もなく杭先端の深さを決定し施工しているのであれば、杭の先端が支持層に到達していない可能性もあります。

 本件マンションの支持杭は、地表から42mの深さまでの場所打ち杭が施工されていることが、第2種地盤である事の明確な証拠です。第1種地盤であれば、地表から極めて浅い位置(概ね10m以内)に支持地盤があるので、これ程の長さの杭を施工する必要はないし、第1種地盤である岩盤は非常に強固なので、一般的な場所打ち杭の掘削機では、岩盤を掘削する事は不可能です。

 久留米市は、市内において数多くの建築確認を行っているので、地盤に関するデータを豊富に有しているはずです。本件マンションの近隣において、第1種地盤と認められるボーリングデータが存在すれば提出して頂きたいと思います。

 以前(平成26年6月頃報道)、神奈川県横浜市のマンションにおいて、杭が支持層に到達していなかったため、建物が傾いたという事例は、記憶に新しいと思います。この事例と同じ状態である可能性もゼロではありません。仮にそうであれば、新たな問題として浮上します。この疑いを消すためにも、原告は、被告久留米市に、「杭先端の深さを妥当と判断した根拠」の提出を求めるべきであると、申し上げます。

(つづく)

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