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市民の安全より自己保身を貫く久留米市役所と鹿島建設の欠陥隠しを暴く(8)
2015年6月 5日

鹿島欠陥マンション裁判

一級建築士 仲盛昭二、一級建築士 星野信治

 本件マンションの建築確認当時の計算書の保有水平耐力計算におけるDs値に当てはめて、説明をします。

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 日本建築学会の「鉄骨鉄筋コンクリート構造計算規準・同解説」149頁によれば、「埋込み形柱脚では(82)式が満足され、柱としてのせん断力に対する検討がされていれば、改めて柱脚としての検討の必要はない。非埋込み形柱脚では、ベースプレート部分の圧縮力による摩擦力によりせん断の伝達を図り、不足する場合はアンカーボルトによって補う・・・」と、非埋込み形柱脚の場合、柱の断面算定の他、別途、検討が必要だと定めていますが、本建物の構造計算書には、柱脚の検討が見当たりません。
 前頁の表では、1階のDs値が0.3となっています。下表のランク「Ⅱ」に相当します。しかし、鉄筋コンクリート造(RC造)では「0.35」となります。

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 本件マンションの構造計算においては、本来、1階をRC造とし扱い、X方向のDs値は、「0.3」ではなく、「0.35」とすべきです。しかし、計算書では、SRC造として扱われ、Ds値を「0.3」としているため、必要保有水平耐力が過少になっています。
 その差は、「0.35÷0.3=1.17」であり、この事だけを取り上げても、17%程度、危険側の設計となっています。

 建築確認において、久留米市は、何故、この保有水平耐力(Ds値)の偽装を指摘しなかったのでしょうか? 構造計算書に入力データリストが添付されていなくても、建築構造技術者が計算書を見れば簡単に判る事です。ブラックボックス的に隠れているような事でもありません。この誤り(偽装?)を久留米市が指摘しなかった事は、故意にせよ、過失にせよ、建築確認行政上の大変な審査ミスを犯してしまったことに変わりはありません。

 また、前述の通り、本件の構造計算書には入力データリスト部分が添付されていません。建築確認上、絶対にあり得ない事です。建築確認の審査においては、構造計算書と図面が整合しているか、正しい数値を入力しているかなど、入力データリストが無ければ、審査はできないはずです。久留米市が、どのような方法で審査をしたのか、想像する事すらできません。

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(つづく)

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