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嘉麻・産廃拡張許可取り消し訴訟で弁論
2015年6月16日

福岡県・産廃処分場

産廃処分場拡張許可取り消し訴訟に臨む原告住民ら=6月15日、福岡地裁前 福岡県嘉麻市熊ケ畑にある安定型産廃処分場の拡張をめぐって、周辺の住民らが県の拡張(変更)許可を違法として取り消しを求めた行政訴訟で、6月15日、福岡地裁で口頭弁論が開かれた。産廃処分場を運営しているのは、(有)エコジャパン。訴状などによると、変更後は、許可面積約6万4,000m2、埋め立て容量約139万m3。面積で約6倍、容量で約10倍に拡張される。2010年12月に拡張許可が申請され、14年7月、県が許可した。口頭弁論には、原告ら100人以上が傍聴に駆けつけた。

 原告側は、エコジャパンが「その業務に関し不正等をするおそれがある者」に該当するとして、県が拡張許可することは許されないと指摘。県は、請求棄却を求め、争う姿勢を示した。

 住民らは行政訴訟に先立ち、365人が業者を相手取って、操業差し止めを求めて福岡地裁飯塚支部に仮処分を申し立てている。住民らは、同処分場では、違法操業が繰り返され安定5品目以外の廃棄物が廃棄されており、有害物質が処分場外に排出され、井戸水や上水道を汚染し重大な健康被害を生じるおそれが高いとしている。エコジャパンは取材に対し、「コメントを差し控える」と答えた。

 口頭弁論では、笹尾正原告団長が「処分場のそばに住む人は井戸から生ものが腐った悪臭がしたため、井戸水が使用できない。火事や硫化水素があっても真相究明されず、廃タイヤが放置されている。違法操業や環境への悪影響を目の当たりにしている。そのうえ現在の10倍以上に拡張される計画、それを許可した県に、怒りを感じる」と意見陳述した。

 原告側の高橋謙一弁護士らが意見陳述し、「県がエコジャパンの違法操業を見逃し、見ないふりをしている」「旧筑穂町の産廃処分場で違法操業を見逃した結果、県が有害物質除去の代執行するに至ったが、税金が捨てるように費やされ、すべての関係者に甚大な被害が生じた」と、県の廃棄物行政を批判し、「被害を未然に防ぐため、違法を見逃す行政に代わって、誰かが廃棄物処理法を適切に運用させる必要がある。それは裁判所だ」と述べた。

 口頭弁論後、福岡市内で報告集会を開き、笹尾原告団長は「早期に勝利し、拡張を止めていただき、今ある有害物質除去を取り除きたい」と訴えた。住民らは、故郷の自然豊かな環境と、遠賀川流域の80万人住民の生活を守るとともに、福岡県の廃棄物行政の改善を求めている。

 安定型産廃処分場は、素掘りの穴に廃棄物を埋め立てて土をかぶせるだけでよいもので、金属、ガラス、廃プラスチックなど「安定型5品目」しか処分できない。

【山本 弘之】

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