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耐震不足マンション訴訟、鹿島と木村設計の責任は?(1)
2015年9月24日

新生マンション花畑西 マンションの耐震強度が不足し震度6強の地震で倒壊の恐れがあるとして、住民らが元請・鹿島建設(株)らを相手取って損害賠償を求めた訴訟の審理が福岡地裁久留米支部で進んでいる。訴えているのは、福岡県久留米市の新生マンション花畑西(地上15階建、92戸)の58戸の住民ら。9月11日に裁判があり、被告側の元請施工業者の鹿島建設、設計・監理者の(株)木村建築研究所(木村忠徳代表)、設計者の(株)ユーアンドエー設計事務所(瀬戸口通允代表)の不法行為責任をめぐって、施工業者は「設計の問題で関係ない」、監理者は「署名押印は偽造で、監理していない」「意匠図面を作成しただけ」と述べ、欠陥の責任を負う当事者ではないという姿勢を示している。

 原告側は、構造計算の際に地盤の偽装によって耐震強度が建築基準法の基準の35%しかないこと、柱と梁の配置が不適切で鉄骨柱と梁が結合されていないこと、コンクリートのかぶり厚不足と中性化の進行など、設計・施工上の欠陥を挙げて、鹿島や木村建築研究所らが建物の基本的安全性を欠くことのないようにすべき安全配慮義務を怠ったとして損害賠償を求めている。

鹿島「建築確認受けた図面を照査する義務はない」

 これに対し、請求棄却を求める鹿島の主張は、こうだ。
 「構造計算上の問題は設計の問題であって施工者に関する問題ではない」「設計者ではない者が地盤種別を認識することは困難であるとともに、そのような調査を行う義務はない」「施工者が、建築確認を受けた図面についてその確認を行ったり、照査することはしないし、その義務はない」などとして、施工者は建築確認された設計図面に従って建築を行うのだから設計に関する義務違反はないと反論。そのうえで、設計にも問題がないとしている。
 かぶり厚不足や中性化の進行については、「具体的に特定されていない」「すでに補修済み」と主張している。また、構造計算上の問題では、保有水平耐力による検証の過程と結果の提出を要求しており、原告側から提出された後に再反論する含みをもたせている。

木村建築「意匠図面を作成しただけ」「監理した事実ない」

 木村建築研究所は「被告ユーアンドエー設計事務所から意匠図面の作成を依頼されただけに過ぎず、構造計算書の作成に関与していず、建築確認申請に一切関与していず、工事監理を依頼されたこともなければ監理した事実もない」と主張している。建築確認申請に関する書類への木村建築研究所の署名・押印は「偽造」だと反論している。

 工事監理者については、鹿島も「現時点においては、実際にどこの誰が現場での監理を行っていたかという詳細な事実関係は不明」としている。

(つづく)
【山本 弘之】

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