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「心の風邪」って、クスリで治るの?(3)
2014年7月 3日

 「うつはこころの風邪」というフレーズで広告がばんばん打たれるようになったのは1999年頃からだ。SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が日本で発売されるようになり、製薬会社が一大キャンペーンを打った。メディアミックスで、テレビ、雑誌、新聞ありとあらゆる媒体で広告を目にするようになった。そしてそれは現在も続いている。

 「日本の気分障害患者数は1996年には43.3万人、1999年には44.1万人とほぼ横ばいでしたが、2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、著しく増加しています」(厚生労働省のホームページより)

nay.jpg これほどにもマーケットを開拓した広告戦略も珍しいのではないだろうか?そして「それほど薬が効かない」「薬漬け患者が増えている」という批判が当然の如く噴出してきた。専門医などによる書籍も多く出ているので詳しくはそちらを参考にしていただきたいが、多くが「作られた患者」だというのは事実だろう。
 そして味噌は「一度服薬を開始すると、そこから抜け出すのは難しい」ということだ。

 風邪薬を延々と2年も3年も飲み続けているという話を聞いたことがない。そもそも風邪を根本的に治す薬はなく、解熱したり粘膜の炎症を緩和したりするだけで、根本的には人体の快復力で治るのだということは良く知られた話だが、それでも病院でもらう風邪薬はそれなりに効果があると思う。それに比べて・・・。

 私の症状は小康状態を保ちながら、8年ほど前に再び厳しい状態を迎えた。ただ、振り返るとこのときは、うつ病というよりは男性の更年期症状(ホルモンバランスの変調)だったのではないかと思う。身体がほてったり汗をかいたり、とにかく頭がぼんやりして集中力が保てない。疲労感が抜けず朝起きて出社することが困難になった。

 薬を強くしてもらったが「ばりばり働けず悩んでいる」のに、不安を和らげる目的で飲む薬で「ぼんやりした状態」が続くのだ。仕事がはかどるはずがない。

 うつで就業が困難という診断書を書いてもらい、会社を休職。やがて退職した。

 妻をはじめとする家族の支えでしばらく家で静養し、今はリスタートしてそれなりにやっている。ただ、自分の収入が途絶えたことで病院通いを止めた。毎月数千円の出費が正直ばかばかしくなった。なんとか就業するために薬に頼っていたわけだが、朝定時に起きる必要がなければ、薬がなくてもなんとかやっていけた。

 もちろん無職の状態で家に引きこもっているというのは鬱々とした気分にはなる。けれど、子供も大きくなってそれなりに思春期の悩みに向き合ってる姿を見ると、自分の生き方や将来などを根本的に考えるようになってきた。

 現在は心身ともに健康な状態なのかと言えば、そうとも言えない。実は他の大病を患い入院するはめになった。入院中、闘病する患者さん。とくに小児病棟で病気と闘う子どもたちやその家族を見ると、「病気に甘んじていた自分」を恥じる気持ちが強くなった。

 仕事のみダメでレジャーや趣味は普通以上に楽しめる「新型うつ」などいろいろな問題が心の病をめぐって取りざたされている。うつは確かに病気だし、精神科医や薬を全面的に否定はしない。けれども昨今の日本における「うつ」をめぐる状況は大きな問題を抱えていることは間違いない。

 カウンセリングよりは投薬が経営を支える心療内科医の現状。製薬会社の利権。心の病に対する社会の偏見。ストレスフルな職場環境や厳しい経済状況。

 ただ、どんな病気でもそうだろうが、患者自身がその病気に立ち向かい、病気を治す、あるいは病気とつきあいつつ人生を前向きに過ごすという姿勢がなければ病気を克服することはできない。
 そう考えると、多くの場合、心療内科医は本当に患者を治そうと思っているのか?疑問は尽きない。「それはあなたの場合でレアケースなのでは」と言われれば反論できないが、私の身の回りにも実に多くのうつに悩む中高年の友人がおり、そのほとんどが長期の病院通いと服薬から逃れるきっかけを失っているのだ。

(つづく)
【坂本 晴一郎】

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